子どもにグローバルな教育環境を与えたいと考える一方で、学費や英語力、日本の学校との違いなどについて不安を抱く保護者は少なくありません。
本記事では、後悔しないインターナショナルスクールの選び方について、カリキュラムや認定の有無、卒業後の進路など、7つの観点から徹底的に解説します。お子様の可能性を最大限に引き出せる環境を見つけるために、ぜひご活用ください。
インターナショナルスクールとは?
インターナショナルスクールについて、法令上の明確な定義はありませんが、文部科学省のウェブサイトには、「一般的には主に英語によって授業が行われ、外国人児童・生徒を対象とする教育施設」と記載されています。
2013年から2023年までの10年間で、世界の学校数は8,700校から13,000校(予測値)へと約1.5倍に増加しました。在籍者数も2012年から2022年にかけて、420万人から650万人へと1.5倍に拡大しています。日本でも、国際バカロレアなどを求めて入学させる家庭が増加傾向にあります。
インターナショナルスクールに進学するメリットやデメリットについて知りたい方は、以下の記事もぜひご覧ください。
関連記事:インターナショナルスクールとは?進学のメリット・デメリットを解説
出典:ボストン・コンサルティング・グループ「令和5年度文部科学省 諸外国におけるインターナショナルスクールの位置づけに関する調査」
インターナショナルスクール選びの7つのポイント
子どもにとって最適な学習環境を整えるためには、保護者として多角的な判断基準を持つ必要があります。本章では、インターナショナルスクールを選ぶ際の7つのポイントについて解説します。
1. カリキュラムと卒業要件
インターナショナルスクールのカリキュラムには、アメリカ式やイギリス式などがあり、プログラムによって将来取得できる卒業資格が異なります。
また、近年では単なる暗記ではなく、子どもの知的好奇心を育む探究型学習が支持されています。文部科学省の「IB教育推進コンソーシアム」によると、探究型学習の代表格といえる国際バカロレア(IB)の認定校などは、2025年時点で国内で260校を超えました。
インターナショナルスクールを単なる語学学習の場と捉えるのではなく、ご家庭の教育方針や希望する進路に合ったプログラムを見極めましょう。
2. 学校の認定
将来、日本の大学を受験する予定がある場合は、その学校が認可されているかどうかを必ず確認しましょう。WASCやCISといった国際的な評価機関から認定を受けた教育機関で12年間の課程を修了し、18歳に達していれば、日本の大学への入学資格が認められます。
認可を受けていない学校を選んだ場合、将来日本の大学に進学する際には、高等学校卒業程度認定試験を受験するなどの対応が必要となります。入学手続きを行う際は、志望校がどの評価機関から正式に認定を受けているかを確認しましょう。
3. 教師の質とサポート体制
インターナショナルスクールには、多様な文化的背景を持つ教師が在籍しており、国際的な基準に基づいた質の高い教育を受けられるのが特徴です。教師たちの多様な価値観や指導法に触れる経験は、子どもたちの柔軟な思考力や環境への適応力を育みます。そのため、ネイティブ教師の割合や経験・専門性についても把握しておく必要があります。
同時に、少人数制を活かしたきめ細かな学習サポートが行われているかどうかも、欠かせないチェックポイントです。英語でのディスカッションや発表の場でつまずいた際、一人ひとりの理解度に応じた個別指導が求められます。
また、学校によって語学支援の充実度は異なるため、授業以外の補習体制が整っているかどうかも、事前に見学して確認しておきましょう。
4. 学校の雰囲気や国籍のバランス
子どもたちが毎日楽しく学校に通い、文化の違いによる孤立を深めないようにするためには、学校の雰囲気や国籍のバランスが重要です。近年は欧米系だけでなく、アジア圏を含む多様なルーツを持つ子どもたちが通う学校が増えており、国際感覚を養うのに適した環境だと言えます。
学校ごとに校風や国籍のバランスは異なります。見学会や体験入学を通じて、お子様の性格に合った校風かどうか、しっかりと見極めてみてください。
5. 学費と諸費用、継続のしやすさ
学費が家計に与える負担を軽減し、子どもが卒業まで通い続けられるようにするためには、学費と諸費用の総額を正確に把握する必要があります。子ども家庭庁の「幼児教育・保育の無償化」制度では、基準を満たす施設に通う3歳から5歳の子どもについて、自治体から認定を受けることで、月額最大3.7万円までの補助を受けることができます。
例えば、OWIS(One World International School)は、当該制度の対象施設です。
初年度の納付金に加え、スクールバス代や教材費などを含めたインターナショナルスクールの学費の全体像を事前に確認し、中長期的な計画を立てましょう。
参照:子ども家庭庁「幼児教育・保育の無償化」
6. 日本語教育と母語とのバランス
2つ以上の言語が混在する環境で育つと、どの言語でも深く考えることができなくなる現象を「ダブルリミテッド」といいます。この状態は、親として留意すべき教育上のリスクです。
第二言語をしっかりと定着させるには、母語による知識や概念の基盤づくりが不可欠です。学校側に日本語を維持するための授業があるかどうかを事前に確認するとともに、家庭内でも母語での読書や会話を楽しむ時間を意識的に設けましょう。母語の基礎が固まれば、結果として英語力の向上も早まります。
7. 卒業後の進路や進学実績
卒業後の進路は、海外の大学への進学だけでなく、日本の大学の帰国生入試や総合型選抜を受験するなど、多岐にわたります。
学校によって、海外の大学への進学指導に力を入れているところもあれば、国内の難関大学への進学実績が豊富なところなど、それぞれの特色が異なります。過去のインターナショナルスクールの進路や具体的な進学実績のデータを細かく確認しましょう。
学校見学や説明会で確認すべきポイント
公式ウェブサイトやパンフレットだけでは、学校の実際の雰囲気や細かな指導体制までは十分に把握できません。ここでは、見学の際に必ず確認すべき3つのポイントについて解説します。
子どもが安心して過ごせそうか
見学会では、授業の様子だけでなく、休み時間や移動中の生徒たちの様子にも必ず目を向けてください。生徒たちがリラックスしている時の表情や友人関係にこそ、その学校ならではの校風が表れています。
例えば、「英語が流暢なグループ」と「そうでないグループ」の間に隔たりが生じていないかといった点は、授業時間内では把握しきれないものです。多国籍な環境ゆえに生じる文化や習慣の違いに対して、先生がどのように介入し、相互理解を促しているのかなど、過去の対応事例についても直接質問してみましょう。
先生と生徒の関係はどのようなものか
探究型学習を重視するインターナショナルスクールでは、教師は知識を「教える人」ではなく、生徒の思考を引き出す役割を担っています。実際の授業を見学する際は、教師が一方的に話していないか、生徒の自由な意見を否定せずに受け止めているかをじっくりと観察してみましょう。
また、廊下ですれ違う際の挨拶や、休み時間に生徒が気軽に質問できているかといった日常の場面からも、日頃の信頼関係の深さをうかがうことができます。生徒一人ひとりの個性を尊重し、対等な立場で接しているかどうか、保護者の方ご自身の目で確かめてください。
保護者へのサポートやコミュニケーション体制はありますか
インターナショナルスクールでは、日本の一般的な学校とは文化や教育方針が大きく異なるため、家庭と学校の間で密接な情報共有を行うことが不可欠です。保護者からの問い合わせに対する対応の速さや、個別面談の頻度などは、入学前に必ず確認しておきたい項目です。
特に語学力に不安を抱えている保護者の場合、学校からの連絡や成績表を正確に理解できるか、日本語での窓口対応が可能かといった点も重要になります。家庭での学習方針など、些細な悩みでも気軽に相談できる体制が整っているか、説明会で担当者に直接尋ねてみましょう。
インターナショナルスクール選びでよくある後悔
インターナショナルスクールに入学した後、「教育方針が合わなかった」「諸費用が予想以上にかかった」「日本語の読み書きの伸びが鈍った」などと後悔するケースが見受けられます。
とはいえ、過度に不安を感じる必要はありません。こうした事態の多くは、事前の入念な情報収集や見学会での確認によって回避できます。学校の理念や卒業までの総費用、母語教育への取り組みなどを、ご家庭の方針や状況としっかりと照らし合わせておけば、入学後のギャップを未然に防ぐことができます。
入学後に多くの方が抱く後悔について詳しく知りたい方は、以下の記事も併せてご覧ください。
子どもに合ったインターナショナルスクールを選ぶために
お子様に最適な教育環境を選ぶには、カリキュラムや学校の認定状況、きめ細やかな指導体制などを総合的に判断し、見学を通じてご家庭の方針に合っているかどうかを入念に見極めることが大切です。事前の丁寧な情報収集が、入学後のミスマッチを防ぐことにつながります。
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