周りの子どもたちが英語に触れ始めると、「うちの子もそろそろ習い事を始めた方がいいのかな」と焦りを感じることもあるでしょう。
この記事では、子どもの英語学習を始めるタイミングから、習い事ごとのメリット・デメリット、選び方まで詳しく解説します。インターナショナルスクールの教育現場で実践されている「生きた英語」を楽しく身につけるためのヒントもまとめました。お子様にぴったりで、無理なく続けられる習い事を見つけましょう。
英語の習い事は、いつから始めると効果的でしょうか?
英語の習い事は、言葉をそのままの音として柔軟に吸収できる幼児期に始めるのがおすすめです。言語習得には臨界期(一般的に12歳頃まで)があると言われており、特に聴覚が発達している幼児期から早期英語教育を取り入れると、発音やリズムが身につけやすくなります。
とはいえ、幼児期を過ぎても手遅れというわけではありません。幼児向けの英語教育では、歌や遊びを通じて音に親しむことが中心ですが、論理的思考が育つ小学生以降には、アルファベットの読み書きを取り入れた本格的な学習を加えることで、効率的に力を伸ばすことができます。
周囲の様子を見て焦るのではなく、お子さんが興味を示したタイミングで、無理なく始められる環境を整えてあげましょう。
子どもが英語の習い事をするメリット
子どもが英語の習い事をするメリットは数多くありますが、代表的なものは以下の4点です。
- 英語に対する抵抗感がなくなる
- 英語脳・英語耳を養うことができる
- ネイティブの発音が身につく
- 異文化交流ができる
それぞれについて詳しく解説します。
英語に対する抵抗感がなくなる
理屈ではなく、感覚で言葉をそのまま吸収できる幼児期に英語に触れると、学習に対する苦手意識が和らぐ傾向があります。遊びを通じて自然に言葉を覚えられる時期に始めれば、英語を楽しいものとして受け入れることができるのです。
また、成長してからでは「間違えたら恥ずかしい」という心理的な壁が生じがちですが、幼児期は失敗を恐れず、知っている単語を積極的に口に出すことができます。早い段階で「自分の言葉が通じた」という成功体験を積み重ねておけば、将来、本格的な授業が始まった際にも、自信を持ってコミュニケーションを図ることができるでしょう。
英語脳・英語耳を養うことができる
幼児期からの英語学習が効果的なのは、日本語を介さずに英語そのものを理解する力(いわゆる「英語脳」)と、英語特有の音を見分ける力(「英語耳」)が発達しやすいためです。言葉を吸収する能力が柔軟な時期にネイティブの音声に触れることで、自然な言語感覚が身につきます。
ご家庭でも、英語のアニメや音声素材を流すなどして、意識的に英語を聞く環境を作ってみるとよいでしょう。日々の小さな積み重ねが、将来のリスニング力を高めるための基礎となります。
ネイティブの発音が身につく
英語の発音を正確に聞き取る力が身につくと、ネイティブに近い発音で英語を話せるようになります。日本語にはない「L」や「R」、「th」といった特有の音も、耳で聞いた通りに声に出して再現できるのは、聴覚が発達している子どもならではの強みです。
大人になってから発音の癖を直すのは容易ではありません。幼少期から日常的に英語の音に触れることで、将来のスピーキング力において大きなアドバンテージを得ることができます。
異文化交流ができる
語学学習を通じて異なる文化や価値観に触れることで、多様性を受け入れる柔軟な対応力が養われます。ハロウィンやイースターといった海外の行事を体験したり、さまざまな国籍の講師とコミュニケーションをとったりする経験は、広い視野を持つきっかけとなるでしょう。
「自分の言葉が伝わった!」「先生の国のことをもっと知りたい!」といった純粋な喜びや好奇心は、将来、グローバルな環境に飛び込む際の心理的なハードルを大きく下げてくれるはずです。
子どもが英語の習い事をするデメリット
英語の習い事には多くのメリットがある一方で、以下のようなデメリットもあります。
- セミリンガルになる可能性がある
- 費用がかかる
- 子どもに負担がかかる可能性がある
親の期待だけで突き進むのではなく、メリットとデメリットを考慮し、ご家庭に合った無理のない学習環境を整えましょう。
セミリンガルになる可能性がある
セミリンガルとは、2つ以上の言語が使用される環境において、どの言語も年齢に応じた発達水準に達していない状態を指します。言語の基礎が不十分だと、深い思考や複雑な文章の理解が難しくなり、将来の学力に悪影響を及ぼす可能性があります。
日本国内で週に数回、教室に通う程度であれば、過度な心配は必要ありません。しかし、長時間の英語保育など、極端に英語に偏った環境の場合は、配慮が必要です。
習い事を始める際は、母語の基礎固めも並行して行いましょう。就寝前に日本語の絵本を読んだり、日々の出来事を日本語で話し合ったりして、両方の言語のバランスを保つようにするのがおすすめです。
費用がかかる
語学の習得には数年単位の時間がかかるため、長期的な視点に立ってあらかじめ予算を立てておくことが大切です。一般的な英会話教室では、毎月の月謝に加え、入会金や施設管理費、学年ごとに買い替える教材費などが別途かかります。
無理をして高額な教室に通わせても、家計に負担がかかり、途中で辞めてしまっては本末転倒です。予算に合わせて、費用を抑えやすいオンライン英会話や市販の絵本、無料の動画サービスなどを賢く組み合わせてみましょう。
子どもに負担がかかる可能性がある
子どものペースを無視して無理に英語を習わせると、心身に大きな負担がかかります。英語やその他の習い事でスケジュールが埋まり、自由に遊ぶ時間が減って疲れ果ててしまうという失敗例は少なくありません。
幼児期は気分の浮き沈みがあるのが自然なことです。無理に机に向かわせたり、宿題をさせたりすると、かえって英語に対する強い苦手意識を植え付けてしまうリスクがあります。
何よりも大切なのは、子ども自身が楽しみながら続けられる環境づくりです。「今日はやりたくない」と拒否する日は、一時的に休ませるなど、柔軟に対応しましょう。
英語の習い事の種類
子どもの英語教室には、以下のようなさまざまな種類があります。
施設の種類 | メリット・デメリット |
通信教育 | 教室に通う必要がなく、自宅で学習を完結できる反面、受動的な学習になりがちな点に注意が必要です。 |
英語塾 | 学校の授業の内容を先取りしたり、英検の対策ができたりするのがメリットです。文法の学習が中心となるため、英語のスピーキング力を伸ばすのは難しいと言えます。 |
英会話教室 | 子どもが楽しみながら学べるのがメリットです。会話中心であるため、正しいスペルや英文法の習得が難しい場合があります。 |
プリスクール | 保育園や幼稚園といった保育・教育施設で英語に触れられるのがメリットです。一方で、日本語を話す機会が減ってしまう恐れがあります。 |
インターナショナルスクール | 外国籍の友人と国際的な環境で学べる点がメリットです。ただし、学校教育法で定められた教育施設ではない学校も数多くあります。 |
英語学童 | 放課後から夕方まで英語に触れることができます。ネイティブ講師が多く、日本語が通じないことにストレスを感じる場合があります。 |
通信教育
通信教育の最大のメリットは、送迎の手間がかからず、自宅で好きな時間に学習を進められる点です。DVDやアプリを活用すれば、生活リズムに合わせて無理なく英語を学習に取り入れることができます。
しかし、教材を再生するだけでは、「聞く」「見る」というインプットに偏りがちです。動画を一通り流すだけの受動的な学習では、飽きて途中でやめてしまうケースも少なくありません。
アウトプットの機会を補うため、保護者が一緒に教材を見ながら「何て言ったのかな?」と尋ねたり、声に出して発音させたりといった工夫が求められます。
英語塾
英語塾は、国語や算数と同じように、机に向かってプリントやテキストを使って英語を学ぶ場所です。小学校の英語授業の内容を先取りしたり、英検などの資格試験対策に強かったりするのがメリットです。
文法や単語の綴りを正確に覚えることができるため、学校の成績向上を最優先したいご家庭に適しています。ただし、読み書きの習得が中心となるため、ネイティブとの会話など、実践的なスピーキング力を伸ばすには不向きな面があります。
「テストの点数は良いのに、外国人の前になると一言も話せない」という事態を防ぐため、家庭でオンライン英会話を併用するなど、別途会話の機会を設けることをお勧めします。
英会話教室
英会話教室では、外国人講師やバイリンガルの講師と会話を交えながら、楽しく英語に触れることができます。歌やゲーム、工作など、遊びの要素を取り入れたプログラムが多く、英語を初めて学ぶ子どもでも無理なく始めることができます。
コミュニケーション能力やリスニング力を伸ばし、ネイティブの自然な発音に慣れることができるのがメリットです。一方で、会話重視のカリキュラムが多いため、正しい単語のスペルや英文法などは身につけにくい傾向があります。
会話だけでなく、読み書きもバランスよく学ばせたい場合は、フォニックス(文字と音のルール)の指導を取り入れている教室を選ぶと、読み書きの基礎も身につけることができます。
プリスクール
プリスクールは、主に未就学児を対象に、英語で保育や幼児教育を行う施設です。日常生活のあらゆる場面を英語環境で過ごすことで、自然な流れの中で言語を吸収し、ネイティブに近い発音や表現力を身につけることができます。
一般的な保育園や幼稚園に通う代わりに、長時間にわたる英語へのインプットを確保できる点が魅力です。ただし、1日の大半を英語環境で過ごすため、同年代の子どもたちと日本語でコミュニケーションをとる機会が減ってしまう可能性があります。
家庭では、意図的に日本語の絵本を読み聞かせたり、休日は近所の友達と日本語で遊ぶ時間を作ったりするなど、母語の発達を促すバランスの取れた関わり方が求められます。
インターナショナルスクール
インターナショナルスクールは、多国籍の子どもたちが共に学ぶ教育機関です。インターナショナルスクールのカリキュラムには、IB(国際バカロレア)などの国際認定プログラムが採用されており、探究型学習など、世界水準の教育を提供しています。そのため、多様な価値観に触れながら、高い英語力と国際感覚を養うことができます。
一方で、日本の学校教育法で定められた教育施設(一条校)ではない学校も多いため、将来の大学受験資格などの条件は学校ごとに異なります。将来の進路に関わる重要な情報ですので、検討する際には、各学校の認定状況などを事前に詳しく調べておくことが重要です。
英語学童
英語学童は、放課後の2~3時間を英語環境で過ごせる施設です。主に共働き家庭の子どもたちが、スポーツやアートなど多様なプログラムを英語で体験できる点が特徴です。
英語でのコミュニケーション能力が育まれる一方で、日本語が通じない状況で子どもが不安やストレスを感じてしまうこともあるため、見学や体験入学などを通じて様子を見てみるとよいでしょう。
OWIS(One World International School)大阪校・つくば校では、在校生以外でも3歳から参加できる放課後プログラムを提供しています。サッカーやダンス、陶芸、アートなど、お子様の興味を引く活動が豊富に用意されています。専門知識を持つ国際的なコーチ陣が安全な環境で指導にあたるため、遊びを通じて無理なく生きた英語を身につけることができます。
親が知っておきたい英語学習のポイント
英語学習に取り組むにあたり、特に押さえておきたいのは以下の3点です。
- 家庭では、楽しみながら英語に触れることが大切です
- 子どものペースに合わせて続けていく
- すぐに話せるようになるとは限らない
それぞれについて詳しく解説します。
家庭では、楽しみながら英語に触れることが大切です
まずは、子どもが英語の音やリズムに親しみ、言葉の面白さに気づけるような環境を整えることが重要です。ご家庭でも、無理に教え込むのではなく、一緒に楽しめるような雰囲気作りを心がけましょう。
よくある失敗例として挙げられるのが、「リンゴは英語で何て言うの?」と、まるでテストのように質問してしまうケースです。これが続くと、子どもはプレッシャーを感じて口を閉ざしてしまいます。その代わりに、英語の絵本を読みながら「美味しそうね」と共感するような時間を設けてみてください。
子どものペースに合わせて続けていく
言語の習得には長い時間がかかるため、他の子どもと比べず、子ども自身のペースを尊重した接し方が欠かせません。「隣の〇〇ちゃんはもうアルファベットが書けるのに」と焦って無理に学習を進めると、子どもに強いストレスを与えてしまいます。
幼児期は気分に波があり、突然「英語の動画は見たくない」と拒否することもあるでしょう。そんな時は無理強いせず、「今日は日本語の絵本にしようね」と言って、ひとまずお休みする余裕を持ちましょう。
すぐに話せるようになるとは限らない
英語の習い事を始めても、すぐに流暢に会話ができるようになるわけではありません。幼児の言語学習には、「サイレント・ピリオド(沈黙期)」と呼ばれる、ひたすら英語の音を聞いて頭の中に蓄積していく期間があるからです。
「教室に通っているのに、全然英語を話さない」と不安になり、無理に話させようとするのはよくある落とし穴です。言葉として口に出していなくても、子どもの脳内には着実に英語の音やリズムが蓄積されています。
インターナショナルスクールの先生が教える学習のコツ
インターナショナルスクールの教育現場で実践されている、子どもが自然に英語を身につけるためのヒントを4つご紹介します。
- 歌や絵本を通じて英語を身近に感じる
- レッスン以外でも英語に触れる
- 子どもの興味に合わせて学ぶ
- たとえ短時間でも、続けることを大切にする
歌や絵本を通じて英語を身近に感じる
日常生活に英語の歌や絵本を取り入れると、子どもは「勉強」という意識を持たずに、自然な発音やリズムを自然に身につけることができます。幼児期は聞いた音をそのまま真似るのが得意なので、音楽に合わせて体を動かす遊びは、言葉を覚える良いきっかけとなります。
家庭で絵本を読む際、「Dogは犬だよ」と日本語に訳して教える必要はありません。絵を指さして鳴き声を真似るなど、言葉とイラストを直接結びつける工夫をすれば、英語を英語のまま理解しやすくなります。
保護者の方も一緒に歌を口ずさみ、心から楽しんでいる様子を見せてあげてください。大人が一緒に喜ぶ姿こそが、子どもの好奇心を引き出す原動力となります。
レッスン以外でも英語に触れる
例えば、週に1回程度英語の習い事に通うだけでは、言葉を定着させるためのインプット量がどうしても不足してしまいます。習った言葉を日常の中で実際に使う機会を作ることで、英語は生きた知識として身につくのです。
ご家庭では、日常生活の一場面を簡単な英語に置き換えてみましょう。朝起きたときの挨拶を「Good morning!」に変えたり、お風呂で一緒に「One, two, three」と数を数えたりすることも、立派な学びになります。
特別な教材を買い足す必要はなく、毎日のちょっとしたやり取りに英語を織り交ぜるだけで、子どもたちにとっては新鮮な遊びになります。親子で一緒に言葉を使う楽しさを分かち合いましょう。
子どもの興味に合わせて学ぶ
子どもが夢中になっているテーマと英語を組み合わせると、さらに興味を引き出すことができます。
絵を描くのが好きな子どもなら、色の名前を英語で言い合いながら色を塗ってみましょう。大好きなものと結びつけることで、新しい言葉をスポンジのように吸収していくでしょう。
親が子どもに使わせたい教材を無理に押し付けると、子どもはすぐに飽きて、机に向かわなくなってしまいます。子どもの「知りたい」「やりたい」という純粋な気持ちを、うまく学びにつなげてみてください。
たとえ短時間でも、続けることを大切にする
語学を習得する際は、週末にまとめて何時間も詰め込むよりも、1日5分でも毎日続けるほうが、言葉が定着しやすくなります。長い時間をかけて無理に教え込もうとすると、親も子も疲れてしまい、途中で挫折する原因になりかねません。
「朝の着替えの時間に英語の童謡を流す」「寝る前の10分間だけ英語の絵本を開く」など、毎日のルーティンにちょっとした英語タイムを取り入れてみてください。
やる気が出ない日は無理にやらせるのではなく、BGMとして小さく音楽を流しておくだけでも十分です。生活の負担にならない、細く長いペースを見つけることが、親子で挫折することなく楽しく歩み続けるための秘訣です。
英語の習い事で子どもの未来を広げよう
子どもの英語学習は、音を柔軟に吸収できる時期に始め、日々の生活の中で楽しみながら継続することが大切です。ご家庭のペースやお子様の興味に合った学習環境を選び、お子様の視野を広げる手助けをしてあげましょう。
実践的な英語力と多様な価値観を育みたいなら、探究学習を取り入れたOWISで学ぶという選択肢もあります。在校生以外の方も参加できる放課後プログラムもご用意しています。詳しくは以下の各ページをご覧ください。
ワンワールド・インターナショナルスクール大阪校 | OWIS大阪
英語の習い事に関するよくある質問
英語の習い事は、何歳から始めるのがよいですか?
言葉をそのまま音として吸収できるため、0~6歳から始めることをお勧めします。脳が柔軟な時期に始めれば、英語特有の発音やリズムに対する苦手意識が生まれにくくなります。小学生からでも遅くはありませんが、遊びながら自然に言葉に触れられる早い段階から始めるのが理想的です。
週に何回くらい通うのが理想的ですか?
初めて習う場合は、無理なく続けられる週1~2回から始めることをお勧めします。回数を増やすことよりも、親子で長く楽しく続けることが重要です。レッスンがない日には自宅で英語の歌を聴くなど、日常生活の中で少しずつ英語に触れる環境を作り、慣れてきたら回数を増やすことも検討しましょう。
英語の習い事はどのように選べばよいでしょうか?
お子様の性格や、ご家庭で重視したい目的に合わせて選ぶとよいでしょう。会話を楽しみたいなら英会話教室、読み書きを重視するなら英語塾など、目指す目標によって適した場所は異なります。入会前に複数の施設の体験レッスンに参加し、お子様が楽しめているかどうかを見極めましょう。
親が英語を話せなくても大丈夫ですか?
ご両親が英語を話せなくても、まったく問題ありません。正しい文法や完璧な発音で教えようとする必要はなく、お子さんが学んだ言葉をたくさん褒めてあげるだけで十分です。ご両親も一緒に英語の歌を口ずさむなど、楽しみながら学ぶ姿をお子さんに見せてあげてください。
英語の習い事だけで、英語は身につくのでしょうか?
習い事の時間だけではインプット量が不足するため、家庭での日常的な声かけが欠かせません。例えば、週に1回のレッスンを受けるだけでは、英語を完全に定着させるのは難しいと言えます。教室で習った単語を家で使ってみるなど、日常生活に英語を取り入れることで、定着しやすくなります。


