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IBとケンブリッジの違いとは?2大国際教育プログラムを比較

先生と一緒に机を囲んで学ぶ小学生たち

目次

インターナショナルスクールを調べると、IBとケンブリッジという2つの教育プログラムに出会います。名前は知っていても、何がどう違うのかは分かりにくいものです。本記事では、それぞれの特徴や違い、向いている子どもの性格などについて解説します。

国際バカロレア(IB)とは?

学校のスタッフと面談する子ども

国際バカロレア(IB)とは、国際バカロレア機構が提供する国際的な教育プログラムです。機構の本部はスイスのジュネーブにあり、1968年に設立されました。

IBがどのような教育かは、次の2つを知ると見えてきます。

  • IBの3つのプログラム(PYP・MYP・DP)
  • 探究型学習と評価方法の特徴

 

順に見ていきましょう。

なお、IBの理念や国内の認定校については、以下の記事で詳しく紹介しています。

関連記事:国際バカロレア(IB)とは?概要・プログラムやメリットなどを解説

IBの3つのプログラム(PYP・MYP・DP)

幼児期から高校卒業までの課程は、年齢に応じてPYP・MYP・DPの3段階に分かれています。各プログラムの対象年齢と学ぶ内容は、以下のとおりです。

プログラム

対象年齢(日本の学年の目安)

学ぶ内容

PYP(初等教育プログラム)

3〜12歳(幼児〜小学6年生ごろ)

心と体の両方の成長を大切にし、教科横断的に学ぶ

MYP(中等教育プログラム)

11〜16歳(小学6年生〜高校1年生ごろ)

8つの教科で、学習と社会のつながりを学ぶ

DP(ディプロマ・プログラム)

16〜19歳(高校2〜3年生ごろ)

6科目と3つの必修コアを2年間学び、IBディプロマを目指す

PYPだけを導入するなど、一部のプログラムのみを提供する学校もあるため、志望校がどの学年までのカリキュラムを実施しているかをあらかじめ確認しておきましょう。

参照:文部科学省IB教育推進コンソーシアム「IBの概要(教育理念と学習者像)」「IB認定校・候補校」

探究型学習と評価方法の特徴

IBでは育てたい人物像を10の学習者像として表しており、1つ目に「探究する人」が挙げられています。PYPでは、「私たちは誰なのか」「私たちはどのような時代と場所にいるのか」といった6つのテーマのもとで、言語や理科、社会などを教科の枠を超えて学びます。

MYPでも、教科をまたいで考える学び方は変わりません。8つの教科は「グローバルな文脈」と重要概念(キーコンセプト)でつながっています。最終学年で取り組むのは、学習の集大成となるパーソナルプロジェクトです。

高校段階のDPでは、探究で積み上げた力が成績として評価されます。成績を決めるのは、学校の先生による内部評価と、IB機構による外部評価の2つです。関心のある分野を個人で研究して論文にまとめる課題論文(EE)や、「知識」の本質を学ぶ知の理論(TOK)、創造性・活動・奉仕に取り組むCASも必修です。6科目の各7点とTOK・EEの最大3点を合わせた45点満点で、原則24点以上を取るとIBディプロマを取得できます。

参照:文部科学省IB教育推進コンソーシアム「IBのプログラム(PYP)」「IBのプログラム(MYP)」「IBのプログラム(DP/CP)」

ケンブリッジ(Cambridge)とは?

教室で勉強する小学生の女の子

ケンブリッジ(Cambridge)とは、イギリスのケンブリッジ大学の組織であるCambridge International Educationが提供する、3〜19歳向けのカリキュラムと国際資格を指します。世界160カ国で展開しています。

IBとの違いを知るために押さえたいのは、以下の2点です。

  • ケンブリッジの主なプログラム(IGCSE・A Level)
  • 科目選択型・試験中心の学習スタイル

 

それぞれ詳しく解説します。

ケンブリッジの主なプログラム(IGCSE・A Level)

ケンブリッジのプログラムは以下のように5つの段階に分かれています。

段階

対象年齢(日本の学年の目安)

Cambridge Early Years

3〜5歳(幼児)

Cambridge Primary

5〜11歳(年長〜小学5年生ごろ)

Cambridge Lower Secondary

11〜14歳(小学6年生〜中学2年生ごろ)

Cambridge Upper Secondary(IGCSE)

14〜16歳(中学3年生〜高校1年生ごろ)

Cambridge Advanced(AS Level・A Level)

16〜19歳(高校2〜3年生ごろ)

14歳から16歳までが対象のIGCSEは、30の言語を含む70以上の科目から、学校が自由に組み合わせて開講します。A Levelは大学進学の前段階にあたる通常2年間のコースです。55科目のうちどれを開講するかは、学校ごとに決まります。生徒は、学校が開講している科目の中で、専門を絞ることも幅広く学ぶこともできます。

参照:Cambridge International Education「Cambridge Pathway」「Cambridge International AS & A Levels」

科目選択型・試験中心の学習スタイル

ケンブリッジでは、得意な科目や進みたい分野に合わせて科目を選び、1つひとつを深く学びます。各科目にはシラバスがあり、教科の知識を段階的に積み上げていきます。複数の教科を関連付けて探究するIBに対して、ケンブリッジは教科ごとの専門性を高めることに重きを置いた学び方です。

成績は主にコースの最後に受ける外部試験で決まり、答案はケンブリッジ側で採点します。科目によっては、口頭試験や実技、コースワーク(授業中に取り組む課題)も評価の対象です。IGCSEの一部の科目には、難易度の異なるコア(Core)とエクステンデッド(Extended)の2種類の試験があります。コアはC〜G、エクステンデッドはA*〜Eの成績を目指す内容で、先生が生徒の力に合わせて科目ごとにレベルを決めます。

IBとケンブリッジの違いを比較

IBとケンブリッジは、どちらも世界の大学進学につながる国際教育プログラムですが、学び方や評価の仕方が異なります。項目ごとに並べると、以下のとおりです。

比較項目

IB

ケンブリッジ

教育方針

教科の枠をこえた探究を通して、探究心や思いやりを持つ若者を育てる

科目への深い理解と、自分で考える力を育てる

科目選択(高校段階)

DPでは6つの教科グループから1科目ずつ選び、3つのコアも必修

A Levelは学校が55科目から開講科目を決め、生徒は開講された中から選ぶ

評価方法

内部評価と外部試験の組み合わせ(45点満点)

外部試験が中心(科目ごとにA*〜Eなど)

学習の負荷

DPでは論文やTOKを含む課題が2年間続く

少数の科目に絞れる分、専門分野の深い理解が求められる

高校段階の資格

IBディプロマ

A Level

表の中から、特に子どもの学校生活と進路に関わる3つの違いを掘り下げます。

  • 学習スタイルの違い
  • 評価方法の違い
  • 進路・大学進学への影響

 

1つずつ解説します。

学習スタイルの違い:探究型 vs 科目専門型

IBは複数の教科を横断的に学び、ケンブリッジは1つの教科を深く掘り下げて学びます。IBのMYPでは、探究を通じた協働学習も指導方法の1つです。

ケンブリッジでは、科目ごとに公開されている過去の試験問題と採点基準の一部を使い、試験で問われる内容を確かめながら学ぶことができます。学ぶ範囲と到達目標がシラバスで示されているので、得意な科目を計画的に伸ばすことが可能です。

評価方法の違い:総合評価 vs 試験中心

IB DPは2年間の課題と最終試験の両方で、ケンブリッジは主にコース終了時の試験で成績が決まります。DPの内部評価では、理科の実験や語学の口頭発表、数学の探究課題などを先生が採点し、それが科目の成績に反映されます。日々の課題も、最終スコアを左右する大事な要素です。

ケンブリッジのA Levelは、6月と11月の年2回ある試験で科目ごとに成績が付けられます。科目によっては、1年目にAS Level(A Levelの前半にあたる資格)の試験を受け、2年目に残りを受ける分割受験も選ぶことができます。

進路・大学進学への影響

IBディプロマとA Levelは、どちらも日本と海外の大学への出願に使うことができます。日本では国際バカロレア資格が大学の入学資格として長く認められてきましたが、2024年6月の文部科学省の告示改正で、ケンブリッジを含むインターナショナルAレベル資格も対象に加わりました。

IBとA Levelはカリキュラムの仕組みや採点基準が違うため、大学が示す出願条件も異なります。例えばイギリスのケンブリッジ大学工学部は、A Levelなら「A*A*A」、IBなら「41〜42点で、上級レベル(HL)の3科目で7点・7点・6点」を最低ラインとし、どちらにも数学と物理の履修を求めています。志望する学部の指定科目を早めに調べておけば、計画的にDPやA Levelの科目選びができるでしょう。

参照:文部科学省「大学入学資格について」

  :University of Cambridge「Engineering, BA (Hons) and MEng」

IBとケンブリッジのメリット・デメリットを比較

IBとケンブリッジのメリット・デメリットは以下のとおりです。

項目

IB

ケンブリッジ

メリット

・6つの教科グループから幅広く学べる

 

・課題論文やTOK(Theory of Knowledge)で、調べて考える経験を積める

・得意分野に絞って深く学べる

 

・過去の試験問題で水準を確かめられる

デメリット

・DPでは2年間を通して課題の量が多い

 

・日々の課題も成績に影響する

・試験当日の出来に成績が左右される

 

・より専門的な英語力が求められる

科目を選ぶ時期には、説明会や学校見学で課題の量なども具体的に確認しておくと安心です。

IBとケンブリッジ、どちらが子どもに向いている?

学校帰りに笑顔で話す母親と娘

どちらのプログラムが合うかは、家庭の教育方針や子どもの性格によって異なります。

判断の手がかりになる子どもの特徴を見ていきましょう。

関連記事:インターナショナルスクールの選び方とは?知っておきたいチェックポイント

IBが向いている子どもの特徴

自分で問いを見つけて調べることが好きな子どもは、IBの学び方が向いているといえます。幅広い教科に触れたい・主体性があるという場合も、IBは合っています。

ケンブリッジが向いている子どもの特徴

得意な教科がはっきりしているなら、ケンブリッジで強みを大きく伸ばすことができます。試験に向けて計画的に準備するのが得意な場合も、ケンブリッジで力を発揮しやすいでしょう。

2つのプログラムを理解した上で学校を選ぼう

IBは複数の教科を関連付けて探究し、ケンブリッジは科目を絞って深く学ぶプログラムです。どちらも大学進学につながり、正解は1つではありません。子どもの性格や家庭の教育方針に合うほうを選びましょう。

OWIS(One World International School)大阪とOWISつくばは、IBのPYP(初等教育プログラム)の認定候補校として、探究型の学びを取り入れています。説明会や学校見学で、学校の様子を確かめてみてはいかがでしょうか。

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よくある質問

FAQ

IBとケンブリッジについて、よくある質問にお答えします。

はい、IBはInternational Baccalaureate(国際バカロレア)の略称で、「バカロレア」と呼ばれることもあります。日本では複数の呼び方が混在しています。

教育方針やカリキュラムが異なるので、どちらが難しいと決めることはできません。IBのDPで大変なのは、6科目と課題論文などに2年間取り組み続けることです。ケンブリッジでは、選んだ科目を深く理解し、試験本番で力を出すことが求められます。どちらを負担に感じるかは、子どもの学び方や学校の指導体制によっても変わります。

はい、国際バカロレア資格は日本の大学の入学資格として認められ、IBのスコアを活用する入試も広がっています。ただし出願条件は大学・学部ごとに異なるため、志望校の最新の入試要項で確認する必要があります。海外の大学への進学方法については、以下の記事が参考になるでしょう。

関連記事:海外の大学に行くには?進学方法・必要条件・費用まとめ

日本のインターナショナルスクールについて詳しくはこちら

著者について
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OWIS コミュニケーションズ

大阪市生野区と茨城県つくば市にキャンパスを構えるOWIS Japanは、3歳から18歳の子どもたちに探究型教育を提供することを目指しています。多文化が共存する環境の中で、批判的思考力、創造力、そして学ぶことへの情熱を育み、未来に向けて自ら考え行動できる人へと成長できるよう支えています。高い水準の学習と自己改善を大切にし、生徒たちが将来どのような道に進んでも活躍できる力を養います。