インターナショナルスクールでは主として英語で学習をするため、卒業後は海外の大学へ進学する学生が多いようですが、日本の大学でも英語で講義が受けられるところがあります。
インターナショナルスクール卒業後の選択肢
インターナショナルスクールでは、在学中に国際感覚を身に付け将来グローバル社会で活躍できる人材育成を目指すのが一般的です。
そのため、スクール卒業後は、習得した英語力を活かして海外の大学へ進むケースが通例となっています。
昨今は、日本の大学で高度な英語を身に付ける方法も取られています。
海外の大学、それぞれの進学した際のメリットと注意点などを確認してみましょう。
海外の大学へ進学
これまで培った英語力とグローバルセンスを糧にして、海外の大学に進学し、更なる専門分野の習得を目指します。
海外の大学に進むメリット
- 英語力の向上が期待できる
- 海外生活を経験できる
- 就職選択の幅が広がる
- 多様な人脈が作れる
- 様々な人種と一緒に学習ができ、グローバルな視点が身に付く
などである。
向いているタイプ
- 好奇心が旺盛で、環境の変化に柔軟に対応ができる
- 将来的に海外の企業への就職や移住・永住権を視野に入れているひと
注意点
インターナショナルスクールで学んできたため、英語力に関してはあまり問題ありませんが、生活習慣が大きく変わります。
英語圏以外の国へ進学したい場合は、英語で授業が受けられる大学があります。
英語で授業が行われる日本の大学へ進学
日本の大学でこれまで通り英語で授業を受けることで、環境の変化からくるストレスをなくし、集中して学習ができます。
英語で授業を行う日本の大学に進むメリット
- 英語の学習環境で生活環境も変わらないため、戸惑わず勉強に集中できる
- 生活費が削減できる
- 英語の授業を取ることで、日本語で理解しづらい部分をフォローできる
- ビザの制限を気にせずアルバイト可能
- 家族や友人など、心の支えとなる人が近くにいる
向いているタイプ
- 環境を変えずに英語と専門分野の勉強に集中したい
- 学びたい学部が明確で、日本でそれを習得できるひと
注意点
日本の大学に進学するには、日本の大学の受験資格が必要です。
授業がすべて英語で行われる学部は、受験が英語で行われる場合も多く、英語での学習に慣れている学生にとってメリットです。
日本の一般的な大学へ進学
就職先や将来の職業が大定まっている、英語が必要でない、将来は日本語だけで活躍できると感じている場合は、英語を切り離して、目的の学業に専念するのもひとつの方法です。
受験科目で英語を選択できればいい成績を残せるでしょう。
向いているタイプ
- 将来的に日本で就職・活動するつもりで、英語は必須ではない場合。
- 日本語での試験しかない資格の取得を目指している場合。
注意点
英語で授業が行われる日本の大学と同様に、高校の卒業資格があるかどうか確認します。
それから試験対策を練ります。インターナショナルスクールと日本の一般的な高校では、教科書が違うため、まずは試験範囲の把握をしておきましょう。
使い慣れない日本語で受験するうえ、入学してからもより難しい専門分野を日本語で勉強することになるので、慣れるまで一定の時間が必要となります。
その他 英語を活かして活躍する
インターナショナルスクールを卒業するまでに、まだ自分がやりたいことが見つけられない、どの大学に進めばいいかわからない方もいらっしゃるでしょう。
その場合は、ワーキングホリデーや海外の語学学校・専門学校への留学、または就職にチャレンジすることも選択肢のひとつです。
また、アメリカやイギリスなどの大学には「ダブルメジャー(二重専攻)」「ふたつの違う学問を同時に学ぶ制度があります。
自分のやりたいことが定まらないときは、それに合わせた選択を考えてみましょう。
卒業後に大学へ進学するための条件は?
海外の大学に進学の場合
一般的に海外の大学の入学時期は9月になっています。
アメリカやイギリスなど海外の大学へ進学する場合は、入試は行われず、希望する大学が要件を求める出願が満たし、必須書類を締切日までに提出することで合否が決まることがほとんどです。
出願書類は「志望動機書(Personal Statement)」「成績表(GPA)」「それから授業についていけることを証明するための語学力に関する証明書(IELTS/TOEFL/SATなど)」「それから学校によっては小論文などもあります。
インターナショナルスクールで海外の大学進学を志望する学生は、ある程度名の通った大学・専門分野で評価の高い大学を目指す学生が多いです。
日本の大学に進学の場合
日本の大学に進学する場合、まずは高校の卒業資格があるかどうか確認しましょう。
通学していたインターナショナルスクールが日本で無認可の教育施設であった場合、優秀な成績で卒業したとしても高校の資格が得られません。
ただ、在籍するインターナショナルスクールが国際的な評価団体の評価(WASC、CIS、ECIS、ACSI、国際バカロレアなどを受けている場合は、卒業をした時点で(国際バカロレアはディプロマを取得すれば)大学受験条件を満たしていることがほとんどです。
無認可可のインターナショナルスクールに通っていても、「高卒認定試験」を別途受けることで、高校の卒業資格を得ることができます。
日本の大学の入試科目は、私立が3教科、国公立が国語、地理、公民、数学、理科、外国語、計6教科の共通テストから大学が指定した科目です。
なお、インターナショナルスクールの生放送が、「外国人留学生選抜」「帰国子女枠」「特別枠」に該当するかどうかは、各大学によって判断が異なるので直接お問い合わせください。
英語で授業をする大学の例
英語で授業が受けられる大学には、具体的にどのような大学があるでしょうか。
海外の大学
海外の大学に進学する場合は、治安、物価、利便性(交通機関など)、社会情勢などについて考慮しながら学校を選択しましょう。
インターナショナルスクールに人気の留学先は英語圏が多く、アメリカ、イギリス、オーストラリアなどが選ばれています。
また、毎年話題となるタイムズ・ハイヤー・エデュケーションが独自に公表している「世界大学ランキング」の上位には、名門校がそろっています。
世界大学ランキング世界大学ランキング2023
英語で授業をする日本の大学
国際督教大学(国際基督教大学)
1949年に創設された歴史ある大学です。
ICUの学部・学科は「教養学部」です。
この大学では、教室以外の場を含む大学全体でバイリンガリズムを推奨しているため、英語か日本語に偏らず、バランスよく言語を習得することができます。
すべて日本語で行われる授業もありますが、一年次はELAと呼ばれる科目が大半を占め、英語と思考力を徹底的に養います。
また、学生のニーズに対応するため、様々なタイプの奨学金を設けています。
多様なバックグラウンドを持った学生たちや、教員の50%以上が海外出身者など、国際色溢れる学部になっています。
入学の選考方法は選抜枠によってさまざまで、海外同様の書類選考、日本の大学入学試験である共通のテストの併用、大学独自の個別テスト、面接などがあります。
上記のICUと同様、リベラルアーツ・カリキュラムに力を入れており、グローバル社会へ対応できる人材教育が行われています。
テンプル大学は、米国・ペンシルベニア州に本校を構えた大学で、東京と大阪に日本校があります。4年制学部から博士課程までの提供のほか(大阪では大学院課程のみ)、学位を目的としない特別プログラムで英語力を磨くこともできます。
学生の出身地は約67カ国・地域で、約60%が欧米人を中心とする外国籍です。
事実、この大学で取得する単位や学位はアメリカの大学に行って取れるものは全く同じです。
また、2022年夏から「Fly to Philly Program」を利用することで、アメリカ本校に通えるようになりました。
まとめ
かねてより、インターナショナルスクールの学生は在学時から海外の大学を意識した勉強をし、卒業後は海外の大学へ進学するのが典型的な進路でした。
ですが、昨今では日本の大学も英語の授業や専門分野の充実を図っており、進路の選択肢は広がっています。
また、大学で学ぶ費用に関しても、国内外ともに、様々なタイプの奨学金制度が設立されており、学力次第ではチャンスが開けるかもしれません。
いろいろな条件、メリット・デメリットを考慮し、ベストな選択をしましょう。