「子どもの将来のために早くから英語を」と考える一方で、子どもの負担や日本語の発達への影響について不安を感じている保護者の方もいるのではないでしょうか。
本記事では、幼児英語教育のメリットだけでなく、気になるデメリットや幼児英語教育を始める前に確認したいポイントを解説します。
幼児英語教育が注目されている理由
幼児英語教育の主なメリット
幼児期から英語学習を始める主なメリットは以下のとおりです。
- 英語への抵抗感が少なくなる
- 英語の音やリズムに慣れやすい
- 発音や聞き取りの土台をつくりやすい
- 異文化への興味や多様性の理解につながる
それぞれ詳しく解説します。
英語への抵抗感が少なくなる
幼児英語教育のメリットは、英語を「勉強」ではなく「遊びの延長」として自然に受け入れられることです。小学校の中・高学年になり教科としての英語が始まると、文法や単語の暗記につまずき苦手意識を持つ子どもは少なくありません。
しかし、幼児期から歌や絵本を通じて英語に触れていれば、学習が本格化した際にも自信を持って前向きに取り組むことが可能です。家庭で取り入れる際は、無理に机に向かわせる必要はありません。例えば、お風呂の時間に英語で数を数えてみたり、英語のアニメを一緒に見たりするなど工夫してみましょう。
英語の音やリズムに慣れやすい
幼児期は言語の吸収力が高く、英語特有のリズムやイントネーションを無意識のうちに自分のものにすることができます。日本語を介さず、聞こえた音のまま言葉を理解する言語感覚を養うのに適した時期です。
日本語と英語では周波数や発声法が異なるため、成長してから独特のリズムを習得するには反復練習が求められます。幼少期からネイティブの音声に触れる環境を作れば、無理なく自然なイントネーションが身につきます。英語の絵本を読み聞かせたり、アニメを英語音声で見せたりして、日常的に英語の音に触れる時間を確保してみると良いでしょう。
発音や聞き取りの土台をつくりやすい
聴覚が柔軟に発達する幼児期は、ネイティブに近い発音や細かな音の違いを聞き分ける能力を養えます。日本語にはない「L」と「R」などの音も、耳からそのまま吸収し再現することが可能です。
成長するにつれて母語の音声体系が確立されるため、年齢が上がるほど未知の音を聞き取ることは難しくなります。幼児期から英語の音声に触れる体験は、将来的なリスニング力の向上や正しい発音に繋がります。
ただし、親が発音の誤りを細かく指摘すると話す意欲を削いでしまうため、子どもが発する言葉をそのまま受け止めるのが大事です。
異文化への興味や多様性の理解につながる
言語学習を通して海外の行事や習慣に触れることで、多様な価値観を受け入れるマインドが育まれます。偏見を持たない幼児期だからこそ、「世界には日本語以外の言葉を話す人がいる」「動物の鳴き声(ワンワンとbow wowなど)も違う」といった日々の小さな発見が、他者との違いの理解、ひいては他者への寛容さに繋がります。
例えば、英語教室でハロウィンなどのイベントを楽しんだ後は、世界への興味をさらに広げるチャンスです。自宅で地球儀や世界地図を親子で一緒に広げ、「遠くの国ではどんなお友達が住んでいるのかな」と想像を膨らませると、言葉の背景にある広い世界へ目を向けるきっかけになるでしょう。
幼児英語教育のデメリット
幼児英語教育には、将来への期待が大きい反面、気をつけたいデメリットもあります。ここでは、以下の4点について解説します。
- 日本語とのバランスに配慮が必要
- 子どもに合わないと負担になることもある
- すぐに成果が見えにくい場合がある
- 費用や送迎の負担がかかることがある
日本語とのバランスに配慮が必要
英語学習に時間を割きすぎると、母語である日本語の語彙や表現力の発達に遅れが生じるのではないかと不安に感じる保護者もいます。
しかし、幼児期は柔軟性が高く、複数の言語を同時に吸収できる能力を備えています。日常生活のすべてを英語にするような極端な環境でない限り、過度に心配する必要はないでしょう。
大切なのは、家庭内で日本語による豊かなコミュニケーションを維持することです。親子でしりとりなどの言葉遊びを取り入れたり、休日は地域のお友達と日本語で思い切り遊ぶ時間を作ったりして、母語の発達を促す関わりを並行して行いましょう。
子どもに合わないと負担になることもある
親の期待が大きすぎるあまり、子どもの性格や興味に合わない学習を強要すると、英語自体に強いストレスを感じてしまうリスクがあります。
幼児期は新しいことへの好奇心が旺盛な反面、気分にムラがあるのが自然です。「今日はやりたくない」と子どもが拒絶する場合でも、必ずしも英語が嫌いになったわけではありません。
その際は親が焦らず、子どものペースを尊重するような関わり方をする必要があります。興味を示さない日は無理強いを避け、歌やゲームなどの別のツールを試したり、一時的にお休みしたりする柔軟な対応を心がけましょう。
すぐに成果が見えにくい場合がある
教室に通わせたり教材を買ったりしても、簡単な単語しか話さず、目に見える成長がなかなか実感できないという悩みを抱えるご家庭も少なくありません。
幼児の言語学習には、ひたすら音を聞いて頭の中に溜め込む「サイレントピリオド(沈黙期)」と呼ばれる期間があります。言葉として発しなくても、何も吸収していないわけではないのです。
目先の成果を焦って求めず、長期的な視点で見守る心構えが何より大切です。英語の歌に合わせて体を揺らすなど、子どもの小さな反応を褒めて一緒に楽しむ余裕を持つと、自然と学習意欲を高められるでしょう。
費用や送迎の負担がかかることがある
子どもを英会話教室に通わせたり教材を利用したりする場合、送迎などの時間的な負担や経済的負担がかかります。
文部科学省の「令和5年度子供の学習費調査」によると、私立幼稚園に通う家庭の学校外活動費は年間157,535円に上ります。習い事への出費は決して少なくありませんが、必ずしも高額な投資が必須というわけではありません。
予算や生活習慣に合わせて、オンライン英会話や市販の絵本、無料の動画などをうまく組み合わせましょう。親も子も無理なく継続できる方法を選ぶことが、学習を挫折させないコツです。
出典:文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」
「ダブルリミテッド」は本当に起こる?
ダブルリミテッドとは、二カ国語以上を使用する環境で、どの言語も年齢相応に発達しない状態を指します。母語とそれ以外の言語が中途半端になる理由は、海外移住などで生活環境が急変し、母語を学ぶ時間が極端に不足するためです。
日本国内で生活しながら英語教室に通ったり、自宅で英語の歌や絵本に触れたりする程度であれば、ダブルリミテッドが起こる心配はほぼありません。生活の基盤が日本語である限り、過度に不安を感じる必要はないでしょう。
早期英語教育で大切なのは、日本語と英語のバランスです。長時間の英語保育や動画視聴などを取り入れる場合は、就寝前に日本語の絵本を読んだり、日々の出来事を日本語でじっくり語り合ったりして、母語を育む時間を確保しましょう。
幼児英語教育を始める前に確認したいポイント
幼児期の英語学習を始める際は、以下のポイントを確認しましょう。
- 楽しみながら続けられる環境か
- 継続可能な環境か
- 年齢に合ったアプローチか
楽しみながら続けられる環境か
幼児の学習において、「楽しい」という感情は何よりの原動力になります。親が勉強として強制してしまうと、子どもはすぐに興味を失い、かえって英語嫌いを引き起こす原因になります。
求められるのは、英語が生活の一部として自然に溶け込む環境を作ることです。例えば、お絵かきやブロック遊びのBGMとして英語の童謡を流したり、好きなキャラクターが登場する英語のアニメを一緒に見たりするなど工夫してみましょう。
親自身が笑顔で英語の歌を口ずさむなど、一緒に楽しむ様子を見せることも重要です。
継続可能な環境か
言語の習得には長い時間がかかるため、無理なく続けられるかも大切です。高額な教材や週に何度も通う教室を契約しても、経済的・体力的な負担が大きければ途中で挫折してしまいます。
まずは無料の動画配信サービスや図書館で借りられる英語の絵本など、お金をかけずに始められる方法から試すのがおすすめです。生活リズムに合わせて、「朝食の準備中は英語のCDを流す」「寝る前の10分間は英語の絵本を読む」といった小さな習慣を生活に組み込んでみてください。
長期的な視野を持ち、親も子もストレスなく日常的に英語に触れることが語学学習を定着させる秘訣です。
年齢に合ったアプローチか
子どもの発達段階に合わせた方法を取り入れると、子どもは無理なく英語を吸収できます。言葉の理解が進む3歳頃は歌や手遊びで音に親しみ、自己表現が活発になる4〜6歳頃は簡単なフレーズを使ったごっこ遊びを取り入れるのがおすすめです。
周囲の子どもが難しい単語を話しているからといって、焦って年齢に合わない高度な学習を強要するのは避けましょう。子どもの興味・関心は成長とともに変化するため、発達段階に沿った幼児英語教育の始め方を意識しつつ、年齢ごとの「好き」に合わせて柔軟にやり方を変えていくことが大事です。
幼児英語教育は楽しく続けることが大切
幼児期の英語教育では、異文化理解や発音の基礎づくりなど多くの恩恵を子どもが受けられます。その一方で、母語とのバランスに配慮し、親子で「楽しく続けられる環境」を整えることが何より重要です。
OWIS(One World International School)では、お子さまの好奇心を大切にする探究型のカリキュラムと、多文化を尊重する包括的な環境を提供しています。一人ひとりのレベルに合わせた英語サポートプログラムも充実しており、無理なく自然な形で実践的な英語力や多様性への理解を育むことができます。
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